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「もう、いいよ」安倍首相に伝えたい、たった一つの言葉

現代日本の末期症状

■ロシア政府か安倍のどちらかが、大嘘をついた!?

 

 2018年9月10日、国際会議「東方経済フォーラム」で平和条約締結や北方領土問題について「アプローチを変えなければならない」と呼びかけた安倍に対し、プーチンは、平和条約締結後に二島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言に言及した上で、「前提条件をつけずに年内に平和条約を締結し、すべての問題の議論を続けよう」と答えた。

 え!?

 これは日本とロシアが積み重ねてきた交渉のすべてを反故にするものだ。

 当然、日本のトップなら、毅然とした態度で「冗談ではない」と言わなければならない場面だった。

 しかし、安倍はなぜか満面の笑顔をつくり、ヘラヘラと笑っていた。

 外務省も慌てただろうが、後の祭り。バカに総理をやらせるからこういうことになるのである。

 この安倍の態度が大きな問題になると、安倍は「プーチン氏の平和条約締結への意欲の表れだと捉えている」と支離滅裂な説明をはじめ、さらにはNHKの番組で、プーチンに対し、「北方領土問題を解決した上で平和条約を締結するのが日本の原則」だと直接反論したと発言。

 しかし、ロシアのペスコフ大統領報道官は、それを否定。ロシア国営テレビのインタビューで、「プーチン大統領が前提条件なしの年内の日本との平和条約締結を安倍晋三首相に提案した時、安倍首相本人からは何の反応もなかった」と証言した。

 要するに、ロシア政府か安倍のどちらかが、大嘘をついたということだ。

 ロシア側が嘘をつく理由はない。

 いつものように、安倍がその場をごまかすために嘘をついたのだ。

 安倍の息がかかった日本のメディアの情報を鵜呑みにする人々と違い、国際的には安倍は利用しがいのある「ホラ吹き」とみられている。

 沖縄県沖で米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が墜落。これに関し、安倍は国会で「(飛行)中止を申し出た」(2018年6月25日)と述べたが、これも真っ赤な嘘だった。

 こうした安倍の言動を、トランプやプーチンがどのように観察しているかである。

 弱者を叩き、強者に媚びる。国内では女性議員に対しキャンキャン吠える一方、トランプやプーチンには全力で尻尾を振る。

 プーチンがわざと会談に遅刻しても、安倍は満面の笑みを浮かべ、女の子走りですり寄っていく。目の前でひっくりかえって腹を見せる。もちろん、上納金も忘れない。

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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